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くまもとの水の成り立ち

最終更新日:
 

1 熊本は「火の国」とともに「水の国」

白川水源

熊本県には、環境省が選定する「平成の名水百選」に4箇所、昭和の「名水百選」に4箇所、合わせて全国で最も多い8箇所の名水池があります。


「平成の名水百選」

・水前寺江津湖湧水群
・金峰山湧水群
・六嘉湧水群・浮島
・南阿蘇村湧水群

昭和の「名水百選」

・白川水源
・菊池水源
・池山水源
・轟水源

水道水源としては、約8割が地下水に依存しています。

豊富な地下水
全国平均は約2割
浮島湧水

※おいしい水の恩恵
 天然のミネラルウォーター
 熊本市上水道は全国のベスト3に選定
 県内各地に1000箇所以上の湧水
 
水道水源地下水
   ※「熊本地域」・・・熊本市、菊池市(旧旭志村、旧泗水町の区域に限る)、宇土市、合志市、大津町、菊陽町、
             西原村、御船町、嘉島町、益城町、甲佐町の11市町村の区域


おいしい水(昭和60年4月厚生省おいしい水研究会)

おいしい水

地下水はどんなところにあるのか(県内の地下水分布)

★豆知識・・・第四紀層とは?今から200万年前以降の新しい地層
新しい地層(第四紀層)の分布地域 

 洪積台地、沖積平野
 弱固結から未固結の地層の間隙、クラック部
 溶岩のクラック部
県内では
 熊本地域(阿蘇西麓台地~熊本平野)
 阿蘇谷地域、南郷谷地域
 玉名・有明平野地域
 八代平野地域
 天草下島北部地域(天草市(旧本渡市佐伊津~旧五和町御領))
 人吉盆地地域 等

県内の地下水(主要帯水層)分布図

地下水分布図

2  なぜ熊本地域は地下水が豊富か(大きく3つの自然的条件)

(1)地下水を浸透、貯留する大きな水がめ(地下水盆)の存在
   行政的には、熊本市、合志市、大津町等11市町村の範囲(1,000k平方メートル) 
(2)地下水を浸透、貯留させる地層の存在
   阿蘇火砕流堆積物、砥川溶岩、砂礫層、新期火山灰等
(3)豊富な降水量
   阿蘇山周辺は全国有数の多雨地帯
(4)地下水盆の存在
   阿蘇カルデラ西側外輪山の山麓台地※から熊本平野の地下は、難透水性の基盤岩が深い。
    →広くて深い盆地状の地下構造
     ※菊池、益城、植木等の台地部
   ランドサット衛星写真
    周辺山地と異なる色調
        →異なる植生、土地利用
    水系図
    周辺に比べ、河川の発達が悪い
    →雨水は台地上に溜まり、地下浸透しやすい

ランドサットからの写真


 
熊本・阿蘇周辺の水系

熊本阿蘇周辺の水系図

 
(5)地下水の浸透・貯留能力の高い地層の存在
 (1)阿蘇火砕流堆積物
  阿蘇カルデラの形成前に、計4回の大噴火(今からおよそ27万年前から9万年前)
  このとき噴出した大量の軽石や火山灰等が強く固結
  (阿蘇火砕流堆積物(溶結凝灰岩やシラス状)として、中九州一帯に広く分布)
  菊池台地の地下にも厚く堆積
  この火砕流堆積物の亀裂(クラック)部に大量の地下水を貯留
 
阿蘇火砕流堆積物の分布
阿蘇火砕流堆積物分布図 
菊池台地遠望
菊池台地遠望 
 (2)砥川溶岩
 益城町赤井火山から噴出した溶岩
  益城町南部から嘉島町(井寺・浮島)、熊本市東部(健軍・江津湖)の地下に分布
  溶岩の上部は亀裂が発達し、地下水を大量に貯留しやすい性質
  熊本市上下水道局健軍水源地
  5号井(深度40.5m)は、1本の井戸で日量1.4万m3の自噴量
 
砥川溶岩写真
砥川溶岩写真 
砥川溶岩分布図
砥川溶岩分布図 
(3)砂礫層
 菊池台地、託麻台地等の段丘の地下に分布
 (菊池砂礫層、託麻砂礫層等)
 浅層の自由面地下水(第一帯水層)が存在
 熊本平野の地下等では、浅層の島原海湾層、深層の未区分洪積層として帯水層を形成
 
(4)阿蘇火山新期火山灰土
 阿蘇火山の中央火口丘から噴出した火山灰土
 熊本では、赤ボク、黒ボクと呼ばれている
 (黒ボクは、火山灰土に植物の腐植を多く含む)
 阿蘇火山の周辺の表層を広く、厚く覆っている
 未固結~弱固結で網目状の小さなひび割れが発達し、雨水の地下浸透を助けている
 
熊本地域の模式地質断面図
熊本地域の模式地質断面図 

 (3)豊富な降水量
   阿蘇山周辺は全国的にも年間降水量の多いところ
    阿蘇山上  3,206.2ミリ/年 (1981~2010平年値)
    阿蘇谷   2,831.6ミリ/年 
   外輪山麓の台地部、平野部でも全国平均 (1,690ミリ/年)(国交省試算1976~2005)より多い降水量
    菊池台地  約2,200ミリ/年
    熊本市    1,985.8ミリ/年
    東京     1,528.8ミリ/年(世界平均 約810ミリ)
       ↓
   この豊富な降水量が、熊本地域の地下水の源
   年間降水量の多少が、地下水位(湧水量)変化に大きく影響

熊本県の降水量分布図
降水量分布図 
 

3 熊本地域の地下水の現状

(1)地下水の流動
 熊本地域の地下水の流動
 ○主要な流れ
  阿蘇外輪山西麓の台地部や白川中流域(地下水プール)一帯でかん養され、西南の熊本平野方面に流出
 ○その他
  西北部の植木台地や南部の御船山地等から熊本平野方面に流出
  特徴:地下水プールや分水帯の存在
地下水流動図(熊本地域)
地下水流動図 
(2)地下水位の変動
 熊本地域の地下水位は、長期的には台地部では低下傾向
 菊陽町辛川観測井 約3.36m低下(S57→H22)
 水前寺観測井   約0.31m低下(   〃   )
 ※ただし平野部では上昇傾向
  熊本市並建観測井 約1.15m上昇(H1→H22)
  年間変動幅はかん養域で大きく、流出域で小さい
 
地下水位観測井変動グラフ
(合志・菊陽・水前寺・並建)
地下水位(合志市等) 
地下水位の経年変化
(観測井:菊陽町辛川)
地下水位(菊陽町辛川) 
 
地下水位の経年変化
(観測井:熊本市水前寺)
地下水位(熊本市水前寺) 
  
 
 
 
地下水位の季節変動
(熊本地域)
地下水位(季節変動) 
 
 
 
 
主要観測井における地下水位の位置
(熊本地域)
地下水位の位置 
(3)湧水量
 熊本地域の代表的な湧水地である江津湖の湧水量は、長期的には地下水位の低下とともに減少傾向
 平成4年と平成18年の比較では日量約45万?から約38万?へと約7万?減少
 降水量の多少と密接な関係
江津湖
江津湖湧水 
 
江津湖湧水量の変化グラフ
(九州東海大学調べ)
江津湖湧水量の変化 
 
湧水量の減少
江津湖の湧水量
江津湖の湧水量の減少 
枯渇した湧水地
(熊本市亀井)      (熊本市八景水谷)      (合志市須屋)
枯渇した湧水地(熊本市亀井)  枯渇した湧水地(熊本市八景水谷)  枯渇した湧水地(合志市須屋)  
 

4 地下水減少の要因

(1)土地利用状況の変化グラフ
 宅地等の地下水の非かん養域の増加
 重要なかん養域である水田作付け面積の減少(休耕田、転作田)

土地利用状況の変化

ランドサット写真(市街地の拡大に伴うかん養域の減少) 

(2)地下水採取量の経年変化(熊本地域)
 総量的には減少傾向
 最大の取水量を占める水道用水は、高め横ばい

熊本地域地下水採取量の推移

熊本県内の地下水採取量(平成21年度)

対象井戸:指定地域   吐出口断面積 6?超

                         指定地域外      〃   50?超

地域別地下水採取量 

 

生活用水使用量比較(一人一日当たり)

生活用水使用量比較  

5 将来予測

(1)予測条件
 (1)かん養域は、平成2~18年度の平均減少率1.12km2/年が継続する。
 (2)地下水採取量は、平成18年度採取量186.2百万m3が継続する。
 (3)降水量は、平年値に近い平成11年の降水量1,946mmが継続する。
(2)予測期間
 平成19年(2007)(600百万?)~平成36年(2024)(563百万?)
 その差は、3,700万?
(3)予測結果
 地下水かん養量は約3,700万?減少
 湧水量も減少傾向
地下水位の低下(将来予測)
地下水位の低下(将来予測) 
 
湧水量の減少(将来予測)
>融資量の減少(将来予測) 

6 地下水保全に向けて

熊本地域地下水総合保全管理計画(H21~36)
 熊本県と熊本地域の11市町村で策定

第1期行動計画(H21~25)
 ・策定時期  平成20年9月
 ・策定主体  県と13市町村 (※現在11市町村)
 ・目標年次  平成36年度
 ・計画の対策等
  A 地下水かん養対策
  B 節水対策
  C 地下水質保全対策(⇒硝酸性窒素汚染対策)
  D 熊本県地下水保全条例の見直し(⇒採取の許可制)
  E 地下水保全の普及・啓発
    確立するための仕組みづくり(⇒くまもと地下水財団)


節水行動

 

かん養対策

                                                水源かん養林

          ・国、県、市町村   ・企業(NEC九州の森等)   ・団体(漁民の森等)
 

白川中流域

 

白川中流域水田湛水事業  (平成16年度から開始)

白川中流域の水田は、県内水田の約5倍以上の高い浸透能力(減水深)
 →このため、県が上下流の調整役となり減反等の休耕田に水を張り、地下水かん養の取組みを展開
 ●実施主体;地元農家(大津町、菊陽町、熊本市)
 ●助成主体;熊本市、ソニーセミコンダクター九州(株)、熊本県果実農業協同組合連合会、(財)化学及血清療法研究所、(株)山内本店
 ●協力;大津町、菊陽町、地元4土地改良区、JA菊池等
 ●平成23年度実績;水田湛水実施延べ面積629.2ha     
 推定かん養量 約1,888万m3

 
地下水質の保全
地下水汚染対策は未然防止が基本
   工場・事業場・農業・家庭等で
 一旦汚染したら、回復には莫大な費用と長期間の浄化対策が必要
 特に、近年は熊本地域の台地部での硝酸性窒素汚染対策が課題(症状:乳幼児のヘモグロビン血症)
   主な汚染原因 : 過剰施肥、家畜排せつ物、生活排水
     ↓
 地表の水・土をきれいにすることは、地下水もきれいにすること
 
硝酸性窒素濃度分布図 (熊本地域)

硝酸性窒素汚染

 

平成19~21年度地下水質調査における硝酸性窒素濃度分布

硝酸性窒素濃度  

 

地下水保全にあたっての基本的な考え方

・「公共性」の視点         

・「未然防止」の視点        

・「協働」の視点          

 

阿蘇南郷谷の写真

 

住民・事業者・行政が一体となった取組みを

 地下水は地域共有の貴重な財産 ⇒公共水

   私達自身の意識改革
  地下水に対する危機意識が希薄 : 現状認識
  地下水に対する意識の改革:“限りあるもの”
  私達は今何ができるか?

   主体的な行動を
  身の回りからの行動  : できるところから
  継続的な行動 : 一歩、一歩
  事業者 : 企業市民としての社会的貢献を(⇒地域と共存)

 

 

県民の皆さまへ

○くまもとに暮らす私たちにとって、大自然の働きと先人の努力によって育まれた豊かな水は生命の源であり、生活や産業の基盤

○国内外で良質な水資源確保の重要性が高まる中で、特に本県の豊かで質の良い地下水は地域の発展に欠かせない貴重な資源

○県民の皆さまにとって、かけがえのない財産であるくまもとの地下水の恵みを将来にわたって享受し、活用していくことができるようにするために、地下水はみんなで守り、みんなで使う「公共水」であるという考え方のもと、その保全に一層取り組んでいく必要がありますので、御協力よろしくお願いします。

 

水前寺江津湖湧水群

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