かつて矢部郷と併せてこの地方一帯を支配していた阿蘇家。吉田城は阿蘇家の重臣・吉田主水頭(もんどのかみ)が居城していた城で、中世の頃に、阿蘇家の主城の一つとして重要な役割を果たしていた。その吉田城で使われていたのがこの水源の湧水。今は小さな水場だが、毎分5トンもの水が絶えず湧き上がっている。この湧水は文句なく「うまい水」として評判だが、これは水に含まれる「ハロイサイト」という粘土鉱物の影響だといわれており、六甲の水に代表される灘の酒の原水にも含まれているそうだ。
その他(利用状況、水景・景観情報等)
水源は湧水保全及び環境保全を目的とした保存会による月1回程度の清掃活動が行われている。
周辺スポット情報
汲場からほど近い丘の上にある吉田城址は、案内の杭(くい)がないと分からないほどだが、阿蘇南外輪山を望む眺めの良い場所にある。『阿蘇家の臣吉田主水頭居城す。時代不詳、地名に城、二の丸、馬場、と云う所あり、近く御献上汲場と云う湧泉あり、付近は城があった時代は町をなしたと云う。』と記された案内杭があり、中世の頃、この一帯が町を成して繁栄していたらしいことが分かる。
地図・アクセス
●産交バス=「上吉田」バス停、徒歩約10分。
●車=阿蘇大橋から国道325号を高森方面へ。阿蘇登山道路吉田線の分岐点を右折、村道(旧325号)へ左折して約300m先に案内板がある。
●南阿蘇鉄道=「阿蘇白川」駅、徒歩約20分。
■住所 阿蘇郡南阿蘇村吉田(旧白水村)
※水源地の詳細は管理者へお問合せください。
以下は県庁への問い合わせ先となり、水源の管理状況については把握しておりませんのでご留意ください。