県では、県外のメディア関係者と県内外のアマチュア写真家による情報発信を通して、熊本の水の魅力の認知度向上を図るため、「水の国くまもと」モニターツアーを実施しました。
熊本は、豊富で清冽な地下水を暮らしや産業に活かして発展してきた「水の国」であり、他の地域にはない水に関する魅力があります。
このモニターツアーでは、県外のメディア関係者と県内外のアマチュア写真家に県内の名水をはじめとする水に関する場所を巡っていただき、ツアーを通して体感した熊本の水の魅力を情報発信していただきます。
1 メディア関係者ツアー
〇開催日 平成27年10月8日(木)~9日(金)
〇参加者 関東・福岡等のメディア関係者等 12名
(観光系ネット媒体、テレビ媒体、テレビリサーチャー、スポーツ新聞等)
〇ツアー行程
阿蘇から熊本市内までの水の流れを遡る中で、水を活かした井手下りや名水散策ツアーを体験していただくとともに、地下水を後世に守り継ぐ取組みなどを知っていただき、熊本の水の清冽さと豊富さを実感していただきました。
<井手下り>
農業用水路の井手をカヌーで下る井手下りを体感していただきました。コースの中には、トンネルや急カーブがあり、水しぶきを浴びることもあり、参加者の印象に残る体験となっていました。
この井手下りは、NPO法人きらり水源村が菊池市河原地区の原井手を活用し行っているものであり、 井手を活用したレジャーは、九州ではここでしか体験できないものです。
<健軍水源地>
地下水を使用した熊本の水道水は適度なミネラルを含む天然のミネラルウォーターであり、最低限の消毒処理しか必要としないこと等を紹介し、主に河川水を使用している東京等の水道水との違いを知っていただきました。
熊本市の水道水は全て地下水を水源としており、健軍水源地は熊本市の1日の給水量約22万m3の1/4にあたる約6万m3を取水している熊本市内で最大の水源地です。
<江津湖>
幹線道路のすぐ裏に壮大な湧水地が広がる「水の国くまもと」ならではの光景を体感していただくとともに、市街地周辺に大規模な湧水が見られる熊本の地下水循環システムについて知っていただきました。
健軍水源地、江津湖、水前寺成趣園がある地域一帯の湧水は水前寺江津湖湧水群として、環境省が選定した「平成の名水百選」に選ばれています。
<鼻ぐり井手公園>
水の力を利用して井手の管理を容易にした先人の知恵を紹介し、水を活用しながら暮らしてきた「水の国くまもと」の歴史を知っていただきました。
400年前に造られた鼻ぐり井手は、水が渦を巻きながら流れる構造になっており、井手の水に含まれる火山灰が井手底に堆積することなく下流に流れていくよう工夫された井手です。
<白川中流域のざる田>
水田湛水事業やウォーターオフセット事業等の代表的な地下水保全の取組みを紹介し、豊かな地下水は自然の力だけでなく、人の努力により守り継がれていることを知っていただきました。
熊本では地下水を守り継ぐために様々な立場の人が協働して地下水保全事業を行っており、その代表的なものとして水田湛水事業があります。水田に張った水が地下に浸み込んでいくことで地下水を育むことができます。
<白川水源>
「水の国くまもと」を代表する壮大な水源地を訪れ、熊本の水の清冽さを実感していただきました。
市街地で使われている水は、白川の水が水田を通して地下に浸み込むなどして育まれています。白川水源はその白川が生まれる場所であり、環境庁(当時)が選定した昭和の「名水百選」に選ばれています。
<手野名水会ツアー>
地域が主体となって行われている名水を活かした散策ツアーを体感していただき、地域が名水を大切に活かし守る取組みを知っていただきました。
地元の人も水汲みに訪れる手野の名水は、甘くてなめらかだと参加者に好評でした。
<池山水源>
熊本を代表する絶景を持つ水源地を訪れ、湧水の清冽さとその湧水が生み出す景観の美しさ、熊本の水源地の豊富さ等の「水の国くまもと」の魅力を実感していただきました。
池山水源は、環境庁(当時)が選定した昭和の「名水百選」に選ばれています。
〇ツアーを終えて参加者から次のような感想が寄せられました。
・実際に見てみて「水の国くまもと」といわれる理由がよくわかった。
・水の美しさ、美味しさ、豊富さやその水が生まれる背景を発信したい。
・蛇口をひねればミネラルウォーターという熊本市の水道水の質の高さは大きな魅力だと思う。
・井手下りのようにレジャーと結び付くことで、水の魅力のインパクトが増す。
・熊本の水は素晴らしい資源であり、今後の県外に向けたPRに期待したい。 など
2 アマチュア写真家ツアー
〇開催日 平成27年10月31日(土)
〇参加者 熊本・福岡のアマチュア写真家 17名
〇ツアー行程
プロ写真家の先導のもとに阿蘇郡産山村周辺を巡る中で、池山水源、ヒゴタイ公園内の渓流、水を育む阿蘇の草原等を被写体として、熊本の水の魅力が表現された作品を撮影していただきました。
<かぶと岩展望所>
休憩を兼ねて立ち寄った展望所で、阿蘇谷の水田地帯や雄大な阿蘇外輪の風景などを撮影しました。
<上田尻牧場(放牧地)>
阿蘇外輪の広大な牧草地帯の中で、遠くに阿蘇五岳を望む草原や原生林の風景などを撮影しました。
<池山水源>
環境庁(当時)が選定した昭和の名水百選に選ばれている「池山水源」で、紅葉と水の重なる風景を撮影しました。
<ヒゴタイ公園キャンプ村内の渓流>
キャンプ場内を流れる渓流を歩きながら、紅葉する森の樹木とそれを映し込む渓流の風景を撮影しました。
<スカイパークあざみ台下展望場所>
スカイパークあざみ台展望所の下の道路脇にある展望スペースから、産山村、阿蘇外輪、阿蘇五岳方面の夕暮れの風景を撮影しました。
〇ツアーを終えて参加者から次のような感想が寄せられました。
・山と紅葉と渓流のコラボレーションが撮影できるヒゴタイ公園のような場所や、壮大な草原が撮影できるあざみ台下展望所のような場所は、熊本にしかないと思う。
・プロ写真家の撮影方法の指導がとてもわかりやすく、勉強になった。
・池山水源の水がとてもきれいだったので、違う水源でも撮影してみたい。
・撮影を通して、改めて熊本の水のきれいさを実感できた。熊本の水のきれいさはもっとPRできると思う。